美術教育演習Ⅰ授業レポート:ワークショップを企画する その3
前回の授業では、学外で行う小学生対象のアートワークショップについて、みんなで「鯉のぼり」をイメージした帽子を持ち寄り、デザイン案を決定しました。
「鯉のぼり帽子」の条件として、小学生各自が違ったデザインの帽子をつくれること、限られた時間内で完成できるデザインと構造、安全性や予算等についても考慮し、試作を重ねました!
今回は、いよいよ6月7日(日)に控えたワークショップの準備です!
帽子に用いる袋やフェルトについては様々な色を用意することで、各自が思い思いのデザインを形作れるように配慮します。
そして、鯉の里がえりツアーの説明に用いる絵巻物を制作する谷口先生!
この絵巻物には鯉のぼりの親子が描かれています。前回の投稿でも触れましたが、なぜ、鯉のぼりなのか、プロジェクトの背景に少し触れたいと思います。
ワークショップを行う、東条川疏水ネットワーク博物館“疏水の日”プロジェクトでは、疏水(土地を切り開くために作られた農業用水路)をテーマに、参加する小学生が農業と生活の繋がりや地域との繋がりを振り返り、楽しく学習していきます。また、東条川が流れる加東市は、明治期より鯉のぼりが地場産業となっている地域です。ワークショップでは子供たちが地場産業である鯉のぼりにちなんだ鯉のぼり帽子を制作します。そして、それを被ってみんなで子鯉になり、昨年のワークショップで制作した親鯉と共に疎水にまつわる東条川流域をパレードのように巡り「成長した鯉たちが生まれ故郷の鴨川ダムに里帰りする物語」を演出します。
アートによって、東条川疎水の由来や地域と子供たちを繋げていきます。
参加した学生や子供たちは、やがて親となり、次の世代や地域を作り上げていきます。
農業や私たちの暮らしが大きな変わり目を迎えている現代の中で、参加した学生や子供たちは先人たちの営みを知り、何を思うのでしょうか。
楽しみつつも、実りあるワークショップとなりますように!
みんな、頑張ってきてくださいね!